目撃

Absolute Power

 

★アメリカ*マルパソ・プロ=キャッスル・ロック・エンターテインメント提供 1997年度作品
 

★スタッフ

     

監督■クリント・イーストウッド、製作■クリント・イーストウッド/カレン・スピーゲル、製作総指揮■トム・ルーカー、脚色■ウィリアム・ゴールドマン、原作■デイヴィッド・ヴァルダッチ、音楽■レニー・ニーハウス、撮影監督■ジャック・N・グリーン、編集■ジョエル・コックス

 

★キャスト

クリント・イーストウッド .... ルーサー・ホイットニー
ジーン・ハックマン .... アレン・リッチモンド大統領
エド・ハリス .... セス・フランク
ローラ・リニー .... ケイト・ホイットニー
スコット・グレン .... ビル・バートン
デニス・ヘイズバート .... ティム・コリン
ジュディ・デイヴィス .... グロリア・ラッセル
E・G・マーシャル .... ウォルター・サリヴァン
メローラ・ハーディン .... クリスティー・サリヴァン
ケネス・ウェルシュ .... サンディ・ロード
ペニー・ジョンソン .... ローラ・サイモン
リチャード・ジェンキンス .... マイケル・マッカーティー
マーク・マゴリス .... レッド・ブランズフォード
エレーン・ケーガン .... ヴァレリー
アリソン・イーストウッド .... 美術学生

 

★おはなし
プロの大泥棒ルーサーが仕事中に、現職の大統領と側近が愛人を殺すのを目撃してしまい、“唯一の目撃者”として命を狙われながらも大統領を追い込むというお話。

 

★ひとこと

イーストウッド19本目の監督作品。前作の『マディソン郡の橋』に続いて、ベストセラー小説を映画化したイーストウッドで、今回はサスペンス・スリラー。イーストウッド扮する宝石泥棒が、ふとした事から合衆国大統領と、そのボディ・ガードたちによる殺人を目撃、自分の意地と誇りを賭けて、その絶対的権力(原題の意)と対決するのを、饒舌なタッチで綴った作品で、悪が、さらに巨悪を倒すという図式は、イーストウッド映画本来が持ち得てきたテイストであり、イーストウッドも、その部分に感応したのだろう。

『許されざる者』の悪徳保安官役でアカデミー助演男優賞を獲得したジーン・ハックマンが、再び、悪の権力者側(今回は大統領)に扮し、それを、銃の代わりに知恵と勇気でもって立ち向かうイーストウッドとの対決は、ある意味、『許されざる者』のアナザー・バージョンと呼べるものであり、それの現代版を作ろうとしたイーストウッドの意図は、如実に感じ取れる傑作だ。

 

★うらばなし

エド・ハリスや、一時は第2のイーストウッドと呼ばれたスコット・グレン等、渋い面々がキャスティングされているこの作品だが、最初の方の美術館のシーンでは、イーストウッドの愛娘・アリソンが、『タイトロープ』以来チョイ役で出演。また、『ローハイド』時代に生まれたキンバーも、端役で出演していて、さしずめこの映画の主人公と同じような気持ちを持ちながら、イーストウッドは撮影に臨んだに違いない。

またこの映画は、『ザ・シークレット・サービス』以来2本目の、キャッスル・ロック・エンターテインメントとマルパソ・プロとの共同製作になっており、前作までイーストウッド映画のプロデューサーを担当していたデイヴイッド・ヴァルデス(マルパソの業務担当に変更)に代わり、今回からはトム・ルーカーが、新たなプロデューサーとして加わった作品になっている。

そして今回も、イーストウッドは、この映画のテーマ曲とも言える「ケイトのテーマ」を作曲。オープニングとエンディングを見事に飾っている。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(フィルム)/スコープ・サイズ/ドルビー・ステレオ・デジタル(スペクトラル録音)/121分

日本公開:1997年5月24日(ワーナー配給)

アメリカ公開:1997年2月14日(WB配給)

    

       

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