真夜中のサバナ

Midnight In the Garden of Good And Evil

★アメリカ*シルヴァー・ピクチャーズ協力=マルパソ・プロ=ワーナー・ブラザース映画提供 1998年度作品
 

★スタッフ

     

監督&製作■クリント・イーストウッド、製作総指揮■アニタ・ズッカーマン、脚色■ジョン・リ−・ハンコック、原作■ジョン・ベレント、音楽■レニー・ニーハウス、撮影監督■ジャック・N・グリーン、編集■ジョエル・コックス

 

★キャスト

ジョン・キューザック .... ジョン・ケルソー
ケヴィン・スペイシー .... ジェームズ“ジム”ウィリアムス
ジャック・トンプソン .... ソニー・セイラー
イルマ・P・ホール .... ミネルヴァ
ジュード・ロー .... ビリー・カール・ハンソン
アリソン・イーストウッド .... マンディ・ニコルス
ポール・ヒップ .... ジョー・オードム
レディ・シャブリス .... シャビス・デヴォー
ドロシー・ロドン .... セレナ・ドウス
アン・ハニー .... マーガレット・ウィリアムス
キム・ハンター .... ベティ・ハーティー
ジェフリー・ルイス .... ルーサー・ドリッガーズ
リチャード・ハード .... ヘンリー・スケリッジ
レオン・リッピー .... ブーン刑事
ボブ・ガントン .... フィンレイ・ラージェント

 

★おはなし
ジョージア州サバナを取材で訪れた新聞記者が、そこで起こった殺人事件に遭遇し、独自に調査を開始し、そこに住む奇妙な人々と真の町の姿を垣間見るお話。

 

★ひとこと

イーストウッド20本目の監督記念作は、『バード』以来これが3度目となる、監督のみに徹した作品。中部アメリカに位置するサバナという街に住む、不思議な人々の生態と、その中で起こる不可解な殺人事件をテーマにした、ミステリー風味の人間ドラマに仕上がっている。

イーストウッドが、何故にこの題材に興味を持ったのかは、ちよっと知りたい気がするが、いつものイーストウッド映画同様、ジャンル的な意味合いに於いて、なかなかの不意打ちを食らわせてくれた作品になっている。

だからといって、これがつまらないかというと、決してそんな事はなく、ジョニー・マーサを生んだジャズの街でもあるこのサバナという街に、観ている観客も徐々に取り憑かれていくというこの作品は、まるで黒澤明の『羅生門』ばりの回想シーンを交えながら展開、一夜の夢のような気分を満喫させてくれる魅力的な作品に仕上がっている。

 

★うらばなし

前作に続いて、愛娘のアリソンが出演しているが、どちらかというと端役だった前作と違い、コチラは狂言回し役のジョン・キューザック扮する新聞記者と恋仲になる重要な役柄で登場。『タイトロープ』の幼さからは微塵も感じられない、セクシーな女性に成長しての登場は、なかなかに興味深いものがある。

尚、『センチメンタル アドベンチャー』で、先に父親・イーストウッドと共演を果たしたカイル君は、その後、俳優の道を諦め、新たにジャズ・ミュージシャンとして再出発。『マディソン郡の橋』の1シーンに、他のジャズ面と一緒に演奏している姿がチラっと映っていた。

ジャズといえば、この映画は、出身地という事もあり、ジョニー・マーサの曲が多数使用されているが、例によってイーストウッド自身が、作曲した曲がエンド・タイトルを飾るのは勿論の事、主演のケヴィン・スペイシーやアリソン・イーストウッドに紛れて、本人もボーカルを披露。映画では流れないが、マルパソ・レーベルからリリースされたサントラCDには、イーストウッドの渋い歌声が、キッチリと収録されているのも、聴きものである。

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(フィルム)/ヴィスタ・サイズ/ドルビー・デジタル/155分

日本公開:1998年7月4日(ワーナー配給)

アメリカ公開:1997年11月21日(WB配給)

 

   

                 

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