真昼の死闘

Two Mules For Sister Sara

   

 

★アメリカ*サネン・プロ協力=マーティン・ラッキン・プロ=ユニヴァーサル/マルパソ・カンパニー・ピクチャー=ユニヴァーサル映画提供 1970年度作品

 

★スタッフ
監督■ドン・シーゲル、製作■マーティン・ラッキン/キャロル・ケイス、脚本■アルバート・マルツ、原案■バッド・ボイチャー、音楽■エンニオ・モリコーネ、撮影監督■ガブリエル・フィゲロア、編集■ロバート・シャグルー

 

キャスト

シャーリー・マクレーン

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サラ

クリント・イーストウッド

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ホーガン

マニュエル・ファブレガス

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ベルトラン

アルベルト・モーリン

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ルクレール

アーマンド・シルヴェストレ

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盗賊1

ジョン・ケリー

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盗賊2

エンリコ・ルチェロ

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盗賊3

デイヴィッド・エスタード

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ホアン

 

★おはなし

メキシコ北部の荒地で暴行されようとしていた尼僧を助けたホーガンが、何故か二人協力して、ゲリラたちと革命を起こす…というお話。

 

★ひとこと
シーゲル=イーストウッド・コンビの2作目。今回は西部劇で、音楽をエンニオ・モリコーネが担当している事からみても、相当にマカロニを意識した感のある作品に仕上がっていて、イーストウッドのキャラクターも、マカロニ時代の流れ者的なキャラクターに設定されている。尼僧であるマックレーンが、実は娼婦だったというオチや、対決シーンでやたらダイナマイトが使用されているように、全編コミカル・タッチになっていて、まさにシーゲルとイーストウッドとで、マカロニをパロッているような、そんな作風になっている本作だが、当のシーゲル監督は、「主導権を完全にプロデューサーに奪われてしまった」と、かなり怒り心頭。どうやら、撮影中から、プロデューサー(マーティン・ラッキンとキャロル・ケイス)とシーゲルとの間にかなりの軋轢があったようで、全体的な仕上がりがパンチに欠けるものになっている辺りに、それはうかがわれているようだ。これに懲りたシーゲルは、以後、必ずプロデュースと兼任して映画を作るようになった。

 

★うらばなし

シーゲルとプロデューサーとの軋轢は、前項に書いた通りだが、この映画は最初からどうも、トラブルの連続であったようで、当初予定されていたエリザベス・テ−ラーの出演は、テーラーのスケジュールの都合でなくなってしまい、その代わりに、シャーリー・マックレーンが抜擢された。既にその辺りから、シーゲルもイーストウッドも、脱力気味だったんじゃないかと思われるのだが、モリコーネの音楽は相変わらずの好調で、マカロニを意識しつつも、様々な楽器を組み合わせたコラボレーションは、さすがと思わせるものがある。因みに、日本で最初に予定されていた邦題が、『ダイナマイト無宿』で、それは当然、この映画のクライマックスの事を表現している訳だが、全然“真昼に死闘”なんかしない決定邦題と比べると、ソッチの方がより正直なような。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(フィルム)/スコープ・サイズ/105分

日本公開:1971年2月6日(CIC配給)

アメリカ公開:1970年6月16日(Universal配給)

西ドイツ公開:1970年2月12日

 

          

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