愛のそよ風

Breezy

 

★アメリカ*マルパソ・カンパニー・フィルム=ユニヴァーサル映画 1973年度作品

 

★スタッフ
監督■クリント・イーストウッド、製作■ロバート・デイリー、製作総指揮■ジェニングス・ラング、脚本■ジョー・ヘイムズ、音楽■ミシェル・ルグラン、撮影監督■フランク・スタンレー、編集■フェリス・ウェブスター

 

★キャスト

ウィリアム・ホールデン

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フランク・ハーモン

ケイ・レンツ

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エディス・アリス・ブリーザーマン)

ロジャー・C・カメル

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ボブ・ハンダーソン

マリ・デュセイ

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ベティ・トビン

ジョアン・ホッチキス

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ポーラ・ハーモン

ジェイミー・スミス=ジャクソン

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マーシー

ノーマン・バートルド

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車の男

リン・ボーデン

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ハーモンのデートの相手

シェリー・モリソン

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ナンシー・ヘンダーソン

 

★おはなし
ふとした事から知り合った孤独な中年男性とヒッピー少女は、互いに惹かれ合うものを感じて愛し合う日々を過ごすが、やがて価値観の違いから離れるようになってしまう…というお話。

 

★ひとこと

イーストウッドが初めて、監督のみに徹した映画。「この役は自分には出来ない」というのが、その理由だったらしいが、この、中年の男と若い女との恋模様という題材は、ジャンルは違うが、後の『ガントレット』や『ブロンコ・ビリー』のルーツと言ってもよく、この20年後には、ラヴ・ストーリー一本槍の『マディソン郡の橋』を放つ事になる訳で、ある意味、イーストウッド映画にとっては、重要な映画と言えるかも知れない。

イーストウッドの代わりとして主演に抜擢されたのは、オスカー俳優ウィリアム・ホールデンで、中年の哀愁を見事に演じのけているほか、ミシェル・ルグランの音楽も、実に美しくて、一瞬、イーストウッド映画である事を忘れてしまう程である。

 

★うらばなし

イーストウッドが、初めて演出に徹した作品だっただけに、かなりリラックスして撮影に臨めたようだ。この映画がきっかけになったのかどうか、当時「10年後には俳優業は撤廃して、監督だけになっているかも」と意味深な言葉を残しているが、それだけ監督業に興味を示し、また、本腰を入れていたという事だろう。尚、実はこの映画には、イーストウッドはチョイ役で出演している。ちょうど映画の中盤、ウィリアム・ホールデンとケイ・レンツの二人が港でデートするシーンで、海縁の手摺りにもたれて、ジッと海を見ている男が、イーストウッドであり、『恐怖のメロディ』でヒッチコックを意識していたと言われていたイーストウッドだが、監督オンリーの作品にも、チラッと顔を見せているという所もまた、ヒッチコック的ではある。

残念ながらこの映画、日本では未公開になっており、テレビで『愛のそよ風』というタイトルで放映された。約15分カットされての放映だったが、イーストウッドの顔見せ出演シーンは、ちゃんと収録されていた。

 

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(機材)/105分

日本公開:未公開(テレビ放映のみ)

アメリカ公開:1973年11月18日(Universal配給)

 

場面写真 撮影の合間に談笑する、イーストウッドとケイ・レンツ
カメラを見て演技指導するイーストウッド サントラLP(アメリカ盤)

 

              

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