ダーティハリー2

Magnum Force

 

 

★アメリカ*マルパソ・カンパニー・フィルム=ワーナー・ブラザース 1973年度作品

 

★スタッフ
監督■テッド・ポスト、製作■ロバート・デイリー、脚本■ジョン・ミリアス/マイケル・チミノ、原案■ジョン・ミリアス、音楽■ラロ・シフリン、撮影監督■フランク・スタンレー、編集■フェリス・ウェブスター

 

★キャスト

クリント・イーストウッド

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ハリー・キャラハン

ハル・ホルブルック

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ブリッグス

ミッチ・ライアン

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チャーリー・マッコイ

デイヴィッド・ソウル

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゛ョン・デイヴィス

ティム・マティソン

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フィル・スウィート

キップ・ニーヴン

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レッド・アストラチャン

ロバート・ユーリック

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マイク・グライムズ

フェルトン・ペリー

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アーリー・スミス

モーリス・アージェント

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ナット・ウェインステイン

マーガレット・アヴェリー

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プロスティテュート

リチャード・デヴォン

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カーマイン・リッカ

トニー・ジョルジョ

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フランク・パランシオ

ジョン・ミッチャム .... フランク・ディジョージョ

 

★おはなし
ダーティハリーことハリー・キャラハン刑事が、4人の白バイ警官をチームとするヴィジランテ集団と戦う…というお話。

 

★ひとこと
お馴染み、シリーズの第2作。いきなり、マグナム44のドアップから始まるこの映画は、原題が示す通り、まさしく全編、“マグナムの威力”で埋め尽くされた作品に仕上がっている。主人公のハリー・キャラハンの愛銃は勿論の事、敵となる白バイ軍団の若者たちも、やはりマグナムで武装して、お互い、血みどろの戦いを演じている。アクション・シーンの多さや、暴力シーンの派手さでいくと、ある意味前作以上かも知れないが、ヴィジランテ行為を行っているのは一体誰なのか、といったミステリィ的興味でストーリーが進行する分、ハリー・キャラハンの魅力がちょっと薄くなっているのは、どうしても否めない。日本では、前作以上のヒットとなり、これで、イーストウッド=ダーティハリーのイメージは、完全に決定づけられたといっても、過言ではない。

 

★うらばなし

ドン・シーゲルの前作が、アメリカではタカ派呼ばわりされてしまった為、その汚名返上とばかりに作られたのが本作であるのは周知の事実。主人公のハリー・キャラハンは、体制側に回り、ここで前作のハリーの役割を演じるのが白バイ軍団という設定になっていて、作り手が完全に前作のウラで話を進めようとしている意図がよく読める。原案を書いたのがタカ派のジョン・ミリアスというのも、今となっては驚きだが、ミリアスと共同で脚本を書いているのが、今やオスカー監督&お騒がせ監督のマイケル・チミノというのも、豪華な布陣だ。アメリカの法律に従わない反体制派の若者たち=ベトナム戦争反対者に対する、国家の主人公ダーティハリーの鉄拳、という図式は、確かにミリアスの考えそうな事だが、不思議な事に、この図式で成り立っている“ダーティハリー・シリーズ”は、全5作品中、この2作目だけである。因みに、白バイ警官を演じた4人は、その後、何等かの形で有名になっているのも、この映画の特長の一つだろう。リーダー格のデイヴィッド・ソウルは、テレビの『スタスキー&ハッチ』で人気が出たし、一番最初に殺されるロバート・ユーリックは、やはりテレビの『特別狙撃隊SWAT』や『ダラス』。お調子者のティム・マティスン(ちょっとハリソン・フォードに似ている)は、『1941』や『メル・ブルックスの大脱走』などのコメディで活躍。最後のキップ・ニーヴェンは、『大地震』や『世界が燃えつきる日』などのパニック&SF系の映画によく顔を出している、といった具合。

話は前後するが、同時期にイタリアで作られた『黒い警察』という映画は、ほとんどこの映画のストーリーにソックリであり、言ってみれば、逆にそれをハリウッド・リメイクしたのが、この映画のように思えるのだが。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(フィルム)/スコープ・サイズ/122分

日本公開:1974年2月9日(ワーナー・ブラザース配給)

アメリカ公開:1973年12月25日(WB配給)

 

            

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