荒野のストレンジャー

High Plains Drifter

 

★アメリカ*マルパソ・カンパニー・プロ=ユニヴァーサル映画 1973年度作品

 

★スタッフ
監督■クリント・イーストウッド、製作■ロバート・デイリー、製作総指揮■ジェニングス・ラング、脚本■アーネスト・タイデマン、音楽■ディー・バートン、撮影監督■ブルース・サーティーズ、編集■フェリス・ウェブスター

 

★キャスト

クリント・イーストウッド

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ストレンジャー

ヴェルナ・プルーム

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サラ・ベルディング

lマリアンナ・ヒル

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キャリー・トラヴァース

ミッチ・ライアン

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デイヴ・ドレイク

ジャック・ギング

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モーガン・アレン

ステファン・ギーラッシュ

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ジェイソン・ホバート

テッド・ハートレー

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ルイス・ベルディング

ビリー・カーティス

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モーデカイ

ジェフリー・ルイス

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ステーシー・ブリッジス

スコット・ウォルター

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ビル・ボーダーズ

ウォルター・バーンズ

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ダン・ショウ保安官

ポール・ブリンガー

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ルティー・ネイラー

 

★おはなし
高原の町ラーゴに、1人の無宿者が現れ、町を牛耳った挙げ句、3人の無法者を倒して消えてしまう…という幽霊談。

 

★ひとこと

イーストウッドの監督第2作。前作の『恐怖のメロディ』とはうって変わって、今度は西部劇。しかし、出来上がったものは、よくあるパターンの類型的なものでもなく、また、マカロニ的なものとも違った、実にオリジナリティ溢れる異色西部劇になった。

脚本を書いているアーネスト・タイデマンは、『フレンチ・コネクション』のライター(脚色)でもあるが、何とも不思議な魅力を持ったストーリーを作り上げたものだ。主人公は、何処からともなくやってきた流れ者で、それだけを見ればマカロニ時代の主人公と、たいして変わらないのだが、その行動には不可解なものを感じ、我々観客は、舞台となるラーゴの町の住人と同じように、段々とその主人公に魅入られていく……というのは、意表を衝いていて、実に面白い。それまでのハリウッド製ウエスタンの常識を破ったユニークな一編となった。まさか幽霊が主人公の西部劇が出来るなんて、さすがはイーストウッド、目の付け所が違うと感心される作品だ。

 

★うらばなし
この不思議なストーリーの映画に関して、イーストウッド曰く「フレッド・ジンネマン監督の名作『真昼の決闘』で、もし、主人公のゲーリー・クーパーが殺されてしまったら…という発想が気に入った。これはその後の展開を描いた映画だ」と言っており、主人公が幽霊じゃないかという事に関しては、「そうとも考えられるけど、一応、殺された保安官の弟という感じで撮影に臨んだ」と答えており、そういう風に観ていると、また違った印象を受ける映画でもあり、逆に言うと、異色どころか、『真昼の決闘』のアンサー映画のような、まっとうな西部劇とも言える訳で、このイーストウッドの視点は、当時は絶滅しかかっていたハリウッド製西部劇に渇を入れるという意味合いが込められていたようでもある。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(フィルム)/スコープ・サイズ/105分

日本公開:1973年6月2日(CIC配給)

アメリカ公開:1973年8月22日(Universal配給)

スウェーデン公開:1973年7月16日

 

                     

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