トゥルー・クライム

True Crime

★アメリカ*ザナック・カンパニー/マルパソ・プロ=ワーナー・ブラザース 1999年度作品
 

★スタッフ

     

監督■クリント・イーストウッド、製作■クリント・イーストウッド/リチャード・D・ザナック/リリ・フィニ・ザナック、製作総指揮■トム・ルーカー、脚色■ラリー・グロス/ポール・ブリックマン/スティーブン・シフ、原作■アンドリュー・クラヴァン、音楽■レニー・ニーハウス、撮影監督■ジャック・N・グリーン、編集■ジョエル・コックス

 

★キャスト

クリント・イーストウッド .... スティーヴ・エヴレット
アイザイア・ワシントン .... フランク・ルイス・ビーチャム
リサ・ゲイ・ハミルトン .... ボニー・ビーチャム
ジェームズ・ウッズ .... アラン・マン
デニス・ラーリー .... ボブ・フィンドレー
バーナード・ヒル .... ウォーデン・ルーサー・プランキット
ダイアン・ヴェノーラ .... バーバラ・エヴェレット
マイケル・マッカーン .... リヴェレンド・シラーマン
マイケル・ジェター .... デイル・ポートハウス
メアリー・マコーマック .... ミシェル・ジグラー
ハティー・ウィンストン .... アンジェラ・ラッセル
ペニー・バー・ブリッジス .... ゲイル・ビーチャム
フランチェスカ・フィッシャー=イーストウッド .... ケイト・エヴェレット
ジョン・フィン .... リーディー
ラリア・ロビンス .... パトリシア・フィンドレー

 

★おはなし
地元の新聞記者エベレットは服役中の死刑囚に死刑執行前の最後のインタビュー取材を行った際、彼が無実であることを確信、一人で事件の洗い直しを始めるというお話。

 

★ひとこと

イーストウッド21本目の監督作品。またしても原作ものの映画化で、今回は、冤罪の死刑囚を救う、勇気ある新聞記者に扮して大活躍。といっても、刑事役の時と同じく、腕は一流なのに、一般社会から、ちょっとハミ出してしまっているアウトロー的なキャラクターになっていて、家庭は振り返らないワ、女には手が早いワ、そして、うだつが上がらないという、ダメ人間的な部分が強調されていて、イーストウッドのヒーロー像が、より現実的でよりリアルなものになっているは、特に90年代に入ってからの作品では、これが一番顕著に表れている。それまでのスーパー・ヒーローとは違って、それだけ生身の人間に近くなったという証拠だろう。

それでいて、上司とガミガミ言い合う姿や、あくまでも自分の勘を頼りに行動する決断力は、昔のイーストウッド像そのままで、キャラクターは一味違っても、その根底に流れる精神は、全く変わっていない為、観ていても違和感がなく、ちゃんとしたイーストウッド映画として楽しめるのは、さすがはイーストウッドである。クライマックスのサスペンスも、冴えた演出のお陰で、最後まで目が離せないのも、たいしたものである。

 

★うらばなし

自分の身内を映画に出すのは、最近のイーストウッド映画の定番だが、今回は、8歳になる愛娘(フランセス・フィッシャーとの間に出来た子供)フランチェスカが、やはり自分の娘役で登場。まるで孫程も違う年の差の親子ではあるが、中盤の動物園でのシーン等、娘に接する時のイーストウッドの心情と狼狽ぶりが表現されていて、なかなか興味深い映画になっている。

また、結婚したばかりの妻ダイナ・ルイスもチラっと顔を見せている他、そのフランチェスカの母親でもあるフランセス・フィッシャーも、主人公と馴染みが深い弁護士役で出演しており、いささか、イーストウッド・ファミリー映画の様相を呈している作品にもなっている。

尚、ダイアナ・クラールのジャズ・テーマ曲が主題歌になっているにも関わらず、サントラ盤がリリースされていないのは残念だが、そのミュージック・クリップは、ワーナーからリリースされているDVDに、特典映像として収録されている。

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(カメラ&レンズ)/ヴィスタ・サイズ/ドルビー・デジタル/dts/SDDS/127分

日本公開:1999年12月25日(ワーナー配給)

アメリカ公開:1999年3月19日(WB配給)

 

                          

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