タイトロープ

Tightrope

                    

★アメリカ*マルパソ・プロ=ワーナー・ブラザース映画提供 1984年度作品

★スタッフ
監督&脚本■リチャード・タッグル、製作■クリント・イーストウッド/フリッツ・マーネイズ、音楽■レニー・ニーハウス、撮影監督■ブルース・サーティーズ、編集■ジョエル・コックス

 

★キャスト
クリント・イーストウッド .... ウェス・プロック
ジュニヴィエーヴ・ブジョルド .... ベリル・シボドー
ダン・ヘダヤ .... モリナリ刑事
アリソン・イーストウッド .... アマンダ・プロック
ジェニー・ベック .... ペニー・ブロック
マーコ・セント・ジョン .... リーンダー・ロルフ
レベッカ・パール .... ベッキー・ジャクリン
レジナ・リチャードソン .... サリタ
ランディ・ブルックス .... ジェイミー・コーリー
ジェイミー・ローズ .... メラニー・シルバー
マーガレット・ハウエル .... Judy Harperジュディ・ハーパー

★おはなし
ニューオリンズ市警のウェス・ブロック刑事が、街の風俗店で連続して起きている猟奇殺人事件を追っている内に、自分もアブない事をしてしまう…というお話。

 

★ひとこと

前作『ダーティハリー4』のヒットの後を受けて作られた刑事ドラマ。アクション重視ではなく、あくまでも、人間の深層心理に迫ったサスペンス・ドラマになっている所が、それまでの派手な刑事アクションものとは違う点ではあるが、その分、映画は賛否両論に分かれた。

イーストウッドのSM好きが、遂にここで露呈してしまった訳だが、女性恐怖症(『白い肌の異常な夜』や『恐怖のメロディ』)に始まり、ホモ疑惑(『サンダーボルト』や『アイガー・サンクション』)、そしてマゾヒスト(『ダーティハリー』や『ガントレット』)といった、どちらかというと、アブノーマルな側面を垣間見せてきたイーストウッドの、この映画がいわばそれの到達点、とも言うべき意味深な映画になっていて、これが監督デビューとなるリチャード・タッグルが、イーストウッドをよく理解しているという事なんだろう。

 

★うらばなし

そのタッグル監督だが、ドン・シーゲルと組んだ『アルカトラズからの脱出』の脚本で、イーストウッドに認められ、そして監督デビューとなったという経緯は、マイケル・チミノ監督に似ているが、実はタッグ監督、脚本家としての腕は一流だが、監督としては最低だったようで、見るに見かねたイーストウッドが撮影途中から自分で演出もするようになったとか。本来なら、さっさとクビにして、イーストウッド監督作品とて作ればよかったのだが、以前の“イーストウッド・ルール”があった為、やむなくそのままタッグル監督という名目で撮影は続けられたという。

『センチメンタル アドベンチャー』に次いで、今度は長女のアリソン・イーストウッドが、この映画でデビュー。まだ幼さを残した娘役で、イーストウッドとの息がピッタリだったのは、やはり実の親子だからだろうか。

因みにそのアリソン嬢、この映画の時点での顔が、何故か、熱愛中(当時はもう冷めていたようだが)だったソンドラ・ロックそっくりで、事情を知らない人はみんな、ソンドラとの間に出来た娘だとばかり思っていたとか。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(レンズ&パナフレックス・カメラ)/ヴィスタ・サイズ/114分ドルビー・ステレオ(アメリカの一部の劇場のみ)

日本公開:1984年9月22日(ワーナー配給)

アメリカ公開:1984年8月17日(WB配給)

     

        

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