スペース カウボーイ

Space Cowboys

★アメリカ*ヴィレッジ・ロードショウ/クリプサル・フィルムズ協力=マルパソ・プロ&マッド・チャンス・プロ=ワーナー・ブラザース映画提供 2000年度作品
 

★スタッフ

     

監督■クリント・イーストウッド、製作■クリント・イーストウッド/アンドリュー・ラザー、製作総指揮■トム・ルーカー、脚本■ケン・カウフマン/ハワード・クラウスナー、音楽■レニー・ニーハウス、撮影監督■ジャック・N・グリーン、編集■ジョエル・コックス

 

★キャスト

クリント・イーストウッド .... フランク・コーヴィン
トミー・リー・ジョーンズ .... ホーク・ホーキンス
ドナルド・サザーランド .... ジェリー・オニール
ジェームズ・ガーナー .... タンク・サリヴァン
ジェームズ・クロムウェル .... ボブ・ガーソン
マーシャ・ゲイ・ハーデン .... サラ・ホランド
ウィリアム・ディヴェイン .... ユージーン・デイヴィス
ローレン・ディーン .... イーサン・グランス
コートニー・B・ヴァンス .... ロジャー・ハインズ
バーバラ・バブコック .... バーバラ・コーヴィン
レイド・サーベデジア .... ボストフ将軍
ブレア・ブラウン .... アン・カルザース医師
ジェイ・レノ .... ジェイ・レノ
ニルス・アレン・ステュアート .... ティニー
デボラ・ジョリー .... カクテル・ウェイトレス

 

★おはなし
老パイロットたちが、人工衛星の修復という任務を受け40年ぶりに集結、自らの夢だった宇宙飛行へと挑むというお話。

 

★ひとこと

イーストウッド第22本目の監督作で、今の所の最新作。イーストウッド映画としては初めてといってもイイ、本格的SF映画で、タイトルが示す通り、遂に宇宙にまで飛び出したイーストウッド・ガンマンっていう感じのテイストになっているのは、いかにもイーストウッドらしい選球眼だ。

大スターとの共演という事でも、久々の作品で、大体イーストウッドは、初期の作品を除き、オールスター・キャストの映画というものには縁がなかったから、そういう意味でも貴重な映画でもある。

90年代に入ってからのイーストウッドは、常に自分が、年老いてきているというものを、主人公像に投影してきた訳だが、それが一番強調されているのがこの作品で、特に前半部の、自分を始めとする、4人の宇宙パイロットたち全員が老人である事をギャグにしたユーモア溢れるコメディ・タッチの部分は、これもそれまでのイーストウッド映画にはなかったファクターで、この映画のテーマがストレートに描き出されたシーンでもあった。

ラストは、久々に男泣きさせてくれるものになっているが、自分ではなく、後輩のトミー・リー・ジョーンズに花を持たせているのは、いかにもイーストウッドらしい配慮で、まるで『サンダーボルト』を彷彿とさせるものがあった。

 

★うらばなし

最初はこの企画に乗り気がしなかったイーストウッドだったが、引退した老パイロットのジョン・グレンが、スペースシャトルに乗るニュースを見たイーストウッドは、何か感化されるものがあったのか、即座に映画化に乗る気になったという。

ドナルド・サザーランドとは『戦略大作戦』以来、30年ぶりの共演となるが、ジェームズ・ガーナーともテレビ時代に、ガーナーの主演する『マーベリック』に出演した事があるらしく、これまた久方ぶりの顔合わせとなった。

そしてトミー・リー・ジョーンズとは初共演なのだが、そうとは思えないぐらい息が合っているのはさすが。しかも脇役にウィリアム・ディヴェインが出ていたが、ディヴェインとトミー・リー・ジョーンズは、『ローリング サンダー』で共演していたから、まるでこの映画は、60・70年代ヒーローたちの同窓会のような感じがあるのも、古い映画ファンを驚喜させる要因になっている。

エンディングに流れるフランク・シナトラの“フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン”は、この映画のモチーフにもなっている重要なテーマで、全編に流れるジャズの数々といい、イーストウッドのジャズ好きが、ビシっと画面と合体した、気持ちのいいシーンであった。

尚、この映画は、『目撃』以来になる、大劇場で公開されたイーストウッド映画で、興行的にも『マディソン郡の橋』以来のヒットとなり、“イーストウッドここにありき”を、全世界に知らしめた。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(カメラ&レンズ)/スコープ・サイズ/ドルビー・デジタル/dts/SDDS/130分

日本公開:2000年11月3日(ワーナー配給)

アメリカ公開:2000年8月4日(WB配給)

      

                 

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