白い肌の異常な夜

The Beguiled

 

★アメリカ*マルパソ・カンパニー提供=ジェニングス・ラング・プロ=ユニヴァーサル映画 1971年度作品

 

★スタッフ
監督&製作■ドナルド・シーゲル、脚色■ジョン・D・シェリー/グライムス・グライス、原作■トーマス・カリマン、音楽■ラロ・シフリン、撮影監督■ブルース・サーティーズ、編集■カール・ピンジトーア

 

★キャスト

クリント・イーストウッド

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ジョン・マクバーニー

ジェラルディン・ペイジ

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マーサ・ファーンズワース

エリザベス・ハートマン

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エドウィナ・ダブニー

ジョー・アン・ハリス

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キャロルl

rダーリーン・カー

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ドリス

メイ・マーサー

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ハリー

パメリン・ファーディン

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アメリア

メロティ・トーマス・スコット

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アビゲイル

ペギー・ドライヤー

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リッツィー

バテ・マティック

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ジェニー

マット・クラーク

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スコージン

 

★おはなし
南北戦争末期、南部のある深い森の中にファンスワース女子学院に運ばれた北軍兵士を巡って、女の争いが生じ、その果てに…というお話。

 

★ひとこと
ドン・シーゲルとのコンビ3作目。刑事アクション、西部劇と来て、今回は心理的スリラーに挑戦。といっても、後の『恐怖のメロディ』のような、サイコ・サスペンスではなく、あくまでも人間ドラマが中心。南北戦争後、傷ついた北軍兵士が、ある女子学院に迷い込む。女だけのその場所で、彼を巡る確執が展開するという、これはある意味、女性の微妙な心の動きを描いたドラマであり、そしてまた、男の方の立場からいうと、まさに“恐い女のドラマ”という事になる。イーストウッドはこの後直ぐに、自身の演出・主演で、やはり女の恐怖を描いた『恐怖のメロディ』を発表するが、2作続けてこの手の映画に主演したところをみると、かなり女性には恐い目に遭っているように見受けられるのだが……。それは後々の様々な監督・主演作てせも明らかにされていく訳で、いわばこの作品、そのイーストウッドの持つトラウマの、ルーツ的映画と言えるだろう。

 

★うらばなし
イーストウッドは今まで、映画の中で死んだのは都合2回だけである(最初から死んでいる作品は除く)。この作品と、後の監督作『センチメンタル アドベンチャー』だけだが、しかし、人に殺される映画となると、この作品だけ、という事になる。なにせ、よってたかって女連中に嬲り殺しにされるのである。まだ『ダーティハリー』前のイーストウッドとはいえ、このキャラクターのイメージは、相当抵抗があったとみえて、この映画は観客からはソッポ向かれる事になる。事実、興行成績も、イーストウッド映画中最も最悪で、日本でも、短期間の上映に終わった。作風からして、アート・フィルムっぽいところがあり、後々に徐々に評価される事になるが、確かに今の目でみてみると、かなり斬新で、特に女性心理を巧みに描いている点などは、かなり評価出来、逆に今の方が、受け入れられ易いのではなかろうか。

 

★データ

テクニカラー/ヴィスタ・サイズ/105分

日本公開:1971年12月4日(CIC配給)

アメリカ公開:1971年3月31日(Universal配給)

 

                   

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