イーストウッド・ニュース

【2001年9月下旬号】

 

 No.1

   イーストウッド映画のDVD、大挙リリース!

 

イーストウッド映画のリリース権を大量に握っているタイム・ワーナー社から、今年の11月23日、イーストウッド関連のDVDが、一挙に9タイトルもリリースされる事になりました。

中でも、一番の注目は、あの『ダーティハリー』の1作目から5作目をパックにした、いわゆる“ダーティハリーDVD−BOX”。全てのイーストウッド・ファン、ダーティハリー・ファンが待ち受けた夢のBOX版が、格安の特典映像付きで登場します。

 

           

《単品では1枚2500円ですが、BOX版だと5枚で9800円と、約1枚分お得です!(価格はいずれも税抜)》

気になる特典映像は、第1作が「メイキング」「ドキュメンタリー」「インタビュー」、そして2作目と3作目に「ドキュメンタリー」が収録、というもので、以前リリースされたLD−BOXよりも、かなり充実した内容になっている模様。おそらく、そのLD版でもスタンダード・サイズだった5作目も、ビスタ・サイズのワイド版で収録され、それに加えて音声も、全作5.1chでサラウンド化されるようなので、映像も音もクリアで特典満載というこのBOXは、LD−BOXを持っていた人も、そして1作目のDVDを持っていた人も、みんな買い換える必要がある(?)必須のアイテムという事になりそうです。

 

そして、もう一つの注目が、『アウトロー/特別版』(2500円)です。これは、以前リリースされていた本編だけものに、「メイキング」や「ドキュメンタリー」をプラスしたバージョンで、イーストウッド自身による「イントロダクション」も収録との事。これまた、通常版を持っていた人は、買い直さなくてはならない、ちょっと罪なDVDになりそうです。

 

       

その他のリリース作品としては、『戦略大作戦』(2500円)『ブロンコ・ビリー』『イーストウッド・ドキュメンタリー』(各2000円)があり、上記6作品と合わせて、合計9本ものイーストウッド関連作品が晴れてDVD化される事になったという訳です。ファンとしては、LD化さえもされなかった『ブロンコ・ビリー』のリリースもまた嬉しい所で、特典映像とかはなさそうですが、とにかく、イーストウッド映画の中でもベストに入るこの作品を、DVDで観られるというのは、嬉しいものですネ。

この秋(時期的には冬になりそうですが…)の夜長は、イーストウッド映画のDVDで過ごしてみては如何でしょうか。

 

 

No.2 

   イーストウッドのニュー・アルバム(?)リリース!

 

ニュー・アルバムといっても、イーストウッド自身が歌っている訳でも、演奏している訳でもないのですが、最近、アメリカ製CDで、素晴らしいイースウッド関連のアルバムが発売されました。

 

     

“Music For The Movies Of Clint Eastwood”というタイトルのこのCD、その名の通り、今までのイーストウッド映画の主題曲を集めた、いわゆるコンピレーション(オムニバス)・アルバムなのですが、特筆すべきは、その内容です。

聴くまでは、カバー演奏によるアルバムだと思っていたら、これが大間違い! 1曲目はいきなり、フランキー・レインが歌う「ローハイドのテーマ」で始まり、2曲目はエンニオ・モリコーネ楽団による「続夕陽のガンマン」、3曲目は、長らくCD化が望まれていた「アウトロー/メイン・タイトル」……と、オリジナル・サウンドトラック音源の連打! 「ダーティハリー」は勿論、イントロにハリー・キャラハンの“ブラッフ”付きだし、「許されざる者」「パーフェクトワールド」「マディソン郡の橋」…と、お馴染みの曲たちが続く中、ナ、ナ、ナ、何と! サントラ盤にも収録されていなかった「スペースカウボーイ」のタイトル曲(“Espacio”というタイトル)や、今までサントラ化もされていなかった「トゥルー・クライム」「タイトロープ」「ペイルライダー」までもがサントラ音源(でしょうネ、一応。レニー・ニーハウス自身が指揮しているから…)で収録されているという涙モノの内容で、完全にカウンター・パンチを食らってしまったかのような衝撃的なアルバムでした。

 

   

しかも! 「恐怖のメロディ」のモチーフ曲である「ミスティ」は、何とエロール・ガーナー演奏による完全オリジナル・バージョンでの収録という、ここまでオリジナルに拘ったコンピレーション・アルバムも珍しく、全編、聴きどころ満載っていう、感動モノに仕上がっているのでした。

アルバムの後半には、“Clint Eastwood,An American Filmmakers Suite”という組曲までも収録。まるで、過去のイーストウッド映画の中でバックに流れたジャジーな曲を一同に集めたかのような10曲にも渡る曲集なのですが、どうやら全部レニー・ニーハウスの作曲(勿論指揮も!)によるもので、その中の1曲に“Out Of The Shadows”ってのがあるので、もしかすると、と思ったら、ライナーノートによると、やはり同名のドキュメンタリー映画のテーマ曲で、他の曲も、そのドキュメンタリーに使用された曲であるとか。日本では未公開のドキュメタリー映画のサントラを、こうしてCDで聴けるところもまた、嬉しいものです。

とにかく、イーストウッドに関する映画とジャズを音楽で堪能するには、これ以上のものはないと云うべきアルバムです。1時間18分という、CDの容量いっぱいにギッシリと詰め込まれたこのCDアルバム、秋の夜長にDVDでイーストウッド映画を観る合間にでも、是非お聴き頂きたいものであります。

 

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