イーストウッドが、アメリカに凱旋して以後、『奴らを高く吊るせ！』『マンハッタン無宿』に続いて主演した戦争スペクタクル超大作『荒鷲の要塞』のオリジナル・サウンドトラック盤が、このほど“完全版仕様”で、リリースされました。

リチャード・バートンと共演したこの『荒鷲の要塞』のサントラは、アナログ時代に日本でも復刻盤としてリリース（アメリカ盤と同じジャケット・デザインで＝サントラの宿参照）されていましたが、ＣＤ時代になってからは、イギリスで『６３３爆撃隊』とのカップリング盤、及びアメリカのCHAPTER �Vレーベルから単独盤でリリース（サントラの宿参照）されていましたが、現在はいずれも廃盤、或いはレーベル消滅という事態になってしまい、とりわけCHAPTER �Vレーベル盤が、中古やオークションで高値でやり取りされるという結果を生んでいましたが、この度、レアなサントラを数多く限定盤でリリースしているアメリカのＦＳＭレーベルから、再発される運びとなりました。

いや、再発というより、むしろ新装リリースと言った方が相応しく、なにせ、ＣＤ２枚組（全３３曲入り＝８９分！）という嬉しい仕様でリリースされておりまして、既発売のアナログ盤ＬＰやＣＤ（収録曲はＬＰと同じ）と違って、曲数が増えている上に、各曲がロング・バージョンで収録されているという徹底ぶり。これはおそらく、映画で流れた全曲を収録していると思える完全版仕様なのであります！

また、ライナーノート（というより、豪華なカラーブックレットですな）には、各曲にそれぞれ、曲番（“Ｍ１”とかのアレです）や録音日まで詳細に書かれていて、まさに超完璧なサントラ盤と言っても過言ではない、素晴らしい仕上がりになっているのであります！　す、す、スゴイ！！

『荒鷲の要塞』の音楽といえば、オープニング・シーンで流れる“チャッ・チャ・チャ・チャン！”というシンバルの音が印象的なロン・グッドウィン（１年前に惜しくも逝去）作曲による名曲で、静かに始まるシンバル音が徐々に大きくなって“ダァ〜ン！”と盛り上がる実に印象的なテーマ曲が有名ですが、このＣＤには、そのテーマ曲からしてロング・バージョン（旧盤は３分６秒、新盤は４分２秒）で収録されていて、もう最初っから盛り上がりっぱなしでありまする！

２８ページにも及ぶカラーブックレットには、下記のようなレアにスチルもタップリ掲載されていて、実に何とも嬉しい限り、曲を聴いて盛り上がり、スチルを見てニコニコという、何ともハッピーな気分になれる事間違いない、名サントラＣＤに仕上がっておりますデス、ハイ。

左は、撮影所に訪れた愛妻（エリザベス・テーラー）と主演のリチャード・バートン。

真ん中は、プロデューサーのエリオット・カストナー（左）とブライアン・Ｇ・ハットン監督。

そして右が、イーストウッドが撮影の合間、ロンドンをバイクで走り回っている貴重なスチル！

因みに、このＣＤは、同じロン・グッドウィンが音楽を担当した、やはり戦争大作『クロスボー作戦』（６５）のサントラとのカップリング盤になっておりまして、こちらは、初ソフト化となる、やはり貴重なサントラになっています。（こっちの方も、相変わらず、グッドウィン調が炸裂しておりますヨ！）

ディスク２の頭から４５分（全１８曲）が『クロスボー作戦』のサントラで、その後が再び『荒鷲の要塞』になりまして、コチラはソース音楽（劇中内音楽ですな）が１０曲も収録されていて、３曲だけだった既発売盤とまた違っております。で、その後が別バージョン（オルタナ・スコア）曲が２曲収録という豪華さで、ＤＶＤ以上の豪華特典って感じですな、マッタク。

それと、『荒鷲の要塞』の方のジャケットですが、上記に掲載しているように、以前、フランスでリリースされていたアナログＬＰのデザインを使用していて、イーストウッドの首から上が切れているので不評だったCHAPTER �Vレーベル盤の時の溜飲を下げて頂きたいものであります。（イーストウッドのイラストがイマイチ似ていないのが難ですが…）

という事で、何から何まで良いことづくめの今回のこのサントラＣＤ、レーベル消滅と同時に廃盤になってしまったCHAPTER �Vレーベル盤を入手出来なかった人には、是非ゲットする事をお勧めすると同時に、既発売盤を持っている人も、これはゲットしなければならないスペシャル盤だと、ワタシは思いますデス、ハイ。

因みに、このＦＳＭ盤は、他のサントラ同様、３０００枚のみの限定盤でリリースされていますので、なるべく早くゲットされる事をお薦めします。品切れになってから泣きを見ないように、即行動を起こして下さい！　

メイク・ユア・デイ！