イーストウッド・ニュース

【2003年11月下旬号】

 

 

『ミスティック・リバー』

サントラ・リリース!

 

 

イーストウッドの最新作『ミスティック・リバー』のオリジナル・サウンドトラック盤がリリースされました。今回、『真夜中のサバナ』以来の監督オンリー作になるイーストウッドですが、いつもの監督&プロデュースだけではなく、何と本格的に音楽も担当。ほとんどのスコアを自ら作曲している力の入れようです。

今まで、部分的に作曲したり唄ったりという事はありましたが、全スコアを作曲したのは今回が初めてで、ちゃんと“Music Composed by Clint Eastwood”とクレジットされているようです。凄い!

さて、サントラ盤の方ですが、まるでレニー・ハウスかジョン・ウィリアムスか、はたまたエンニオ・モリコーネかといった、ジャズからフュージョンからロマンティックなスコアに至るまで、とにかくバラエティに富んだ内容になっていて、いやもう本格的コンポーザーの仕事と言っても良いぐらい、“良い仕事”をしてます。

感動的に盛り上げるリリカルな曲調なんて、オーケストレーションを巧みにアンサンブルして、とても情感豊かな仕上がりになっていまして、もう音楽だけを聴いていても、映画が傑作だと思えてくる程ですね。早く本編を観たいものであります。

全19曲の収録中、ラストの2曲だけが、御子息カイル君の作曲になっていまして、この辺りの律儀でアットホームな感じも、イーストウッド・ファミリーの力を感じさせるものになっていますね。カイル君の曲がビッグバンド・ジャズ風なのも微笑ましいです。

インナースリーブ内のスナップ写真に、御大の姿がお目見えしています。

出演していないにも関わらず、この扱いはさすがですね!

 

さて、『ミスティック・リバー』に続いてのサントラ・ニュースは、例の『ダーティハリー』のサントラです。

『ダーティハリー』のサントラは、ラロ・シフリン主宰のレーベルから「ダーティハリー・アンソロジー」として出ているものがありますが、「サントラの宿」のコーナーでも述べている通り、あのメイン・タイトル曲は、短く編集されていて、映画同様の完全版は、アナログ盤時代に出ていたブラジル盤サントラ・オムニバスでしか聞く事が出来ませんでした。

そこで最近、『ダーティハリー』の完全版サントラ・リリースを望む声が高まった為、ラロ・シフリン自らが、遂に重い腰を持ち上げて、本格的なサントラ盤リリースに向けて動き出したようです。何とか、メインテーを完全版て収録して欲しいですね。あと、今まで未収録の曲も、是非、バッチリと入れて欲しいものです。

詳細が分かり次第、ここでまた発表致しますので、お楽しみに!

コチラは現在出ている「アンソロジー(1・2・4収録)」(フランス盤)。

シフリン・レーベルなので、『3』は収録されていないのがちょっと…。

果たして、今度はどのような形でリリースされるのか…。

ついでにと言ってはナンですが、イーストウッドのライバル、ジョン・ウェイン主演の刑事アクション映画『ブラニガン』のサントラが、この12月にリリースされる予定です。『ダーティハリー』を意識したデュークの鬼刑事ぶりを、ドミニク・フロンティア(『奴らを高く吊るせ!』もこの人ですね)の音楽で楽しんで下さい。

 

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