シノーラ

Joe Kidd

 

★アメリカ*マルパソ・カンパニー・プロ=ユニヴァーサル映画 1972年度作品

 

★スタッフ
監督■ジョン・スタージェス、製作■シドニー・ベッカーマン、製作総指揮■ロバート・デイリー、脚本■エルモア・レオナード、音楽■ラロ・シフリン、撮影監督■ブルース・サーティーズ、編集■フェリス・ウェブスター

 

★キャスト

クリント・イーストウッド

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ジョー・キッド

ロバート・デュヴァル

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フランク・ハーラン

ジョン・サクソン

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ルイス・チャマ

ドン・ストラウド

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ラマー・シムズ

ステラ・ガルシア

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ヘレン・サンチェス

ジェームズ・ウェインライト

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オリン・ミンゴ

ポール・コスロ

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レイ・ギャノン

グレゴリー・ウォルコット

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ボブ・ミッチェル

ディック・ヴァン・パッテン

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ホテル支配人

リン・マルタ

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エルマ

ジョン・カーター

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判事

 

★おはなし
シノーラの権力者たちが、インディアンを邪険に扱うのに我慢できなくなったジョー・キッドが、権力者たちを皆殺しにする…というお話。

 

★ひとこと

『荒野の七人』のジョン・スタージェス監督と、『荒野の用心棒』のイーストウッドがコンビを組んで放つ、西部劇大作という触れ込みの作品。誰もが期待してしまうコンビの作品なのだが、残念ながら、イーストウッドのマカロニ調のキャラクターも、スタージェスのキレのない演出によって、イマイチの出来に終わってしまった凡作である。

スタージェス監督としても、往年の力は既に乏しくなったと思い、どうしても、イーストウッドのキャラクター優先のストーリー展開になってしまっている事にもより、期待した程の出来には至っていないのだが、イーストウッドも、ドン・シーゲルと組んだ前作の『ダーティハリー』で力を出し切っていた為か、ほんの軽い気持ちで映画に出ているようで、そういう意味では、軽いノリの映画(この頃から既に、イーストウッドは、バランスを考えて映画に出ていたようだ)としては、こぢんまりとまとまっていて、それなりには観られる映画になっているようでもあり、いずれにせよ、イーストウッドが肩の力を抜いている映画っていう結論になりそうだ。

 

★うらばなし

イーストウッドの西部劇っていうと、マカロニ時代からのポンチョ姿のイメージが強いが、この作品での出で立ちが、どちらかというと、現代劇風の背広に近いものになっていて、一瞬、ダーティハリーがそのまま西部の町にタイム・スリップしたかのような、そんな錯覚を覚えるシーンがいくつかある。勿論、持っている拳銃は、マグナム44ではなくて、モーゼルなのだが。この映画一番の見せ場というと、酒場に機関車が激突するというスペクタクル・シーンだが、その時のイーストウッドの不死身ぶりも、どことなくハリー・キャラハン風で、ある意味パロディっぽい所のある映画になっているのが、面白いと言えば面白い所だろうか。

ロバート・デュヴォールやドン・ストロードなど、一癖も二癖もある脇役陣が出演しているのも、今となっては見物の一編で、そういう見方をすれば、これはこれで悪くない仕上がりなのは間違いないだろう。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(フィルム)/スコープ・サイズ/88分

日本公開:1972年10月21日(CIC配給)

アメリカ公開:1972年7月14日(Universal配給)

 

                         

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