センチメンタル アドベンチャー
Honkytonk Man
★アメリカ*ワーナー・ブラザース提供 1982年度作品 |
★スタッフ | |
監督&製作■クリント・イーストウッド、製作総指揮■フリッツ・マーネイズ、脚色&原作■クランシー・カーライル、音楽監修■スナッフ・ギャレット、音楽指揮■スティーヴ・ドーフ、撮影監督■ブルース・サーティーズ、編集■フェリス・ウェブスター/マイケル・ケリー/ジョエル・コックス |
★キャスト |
クリント・イーストウッド |
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レッド・ストヴォール |
カイル・イーストウッド |
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ホイット |
ジョン・マッキンタイア |
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お爺さん |
アレクサ・ケニン |
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マーレーン |
ヴェルナ・ブルーム |
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エミー |
マット・クラーク |
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ヴァージル |
バリー・コービン |
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アーンスピンガー |
ジェリー・ハーディン |
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スナッフィー |
ティム・トマーソン |
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ハイウェイ警官 |
メイコン・マッカラム |
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ハインズ医師 |
★おはなし | |
大酒飲みのカントリー歌手レッドが、ナッシュビルで開かれるラジオ番組のオーディションに出る為に、甥を連れて旅立つ…というお話。 |
★ひとこと | |
イーストウッド監督の9作目。前作で派手な映画を放ったイーストウッドは、再び『プロンコ・ビリー』系列の作品世界に戻り、今度は1930年代を舞台にした、飲んだくれの歌手の生き様を描いた人間ドラマを作った。 不況の時代に、ロクに仕事もせずに、ただ酒を飲んでギターを弾いて唄っているだけの中年男。唯一の夢は、ナッシュビルへ行ってコンテストに出場し、自分の歌をレコードで出す事。そんな果てしない夢を叶える為に、人生が終わりに近づいた自分の父親と、そしてこれから明るい未来が待っている甥である少年と3人で旅に出るという、これもイーストウッド得意なロード・ムービーである。 その甥に扮するのは、これが映画初出演という、イーストウッドの長男・カイル君で、とてもこれが初めてとは思えない、朴訥で素朴な演技を披露している。西部の時代ではなく、1930年代という不況の時代に、銃ではなく、ギターを抱え、馬ではなくオープンカーに乗って旅する主人公は、ある意味、時代に取り残されようとしているガンマンそのものであり、そんな主人公が、好きな歌を唄いながら、死と対峙するシーンは、まさに西部劇が息絶えた日を、我々は垣間見る事になる。 |
★うらばなし | |
オープニング・シーンは、まるで『アウトロー』の導入部ソックリに始まり、イーストウッドが登場するシーンは、『ガントレット』ソックリ、という風に、これはある意味、イーストウッド監督作品の集大成的な作品でもある。 そして、『ブロンコ・ビリー』『ダーティファイター/燃えよ鉄拳』と、自分のノドを聴かせてきたイーストウッドが、遂に歌手に扮するというこの映画、実際に主題歌を始め、何曲か唄っているシーンは、勿論、イーストウッド自身の歌声である。クライマックス、レコーディング中に倒れてしまう、涙無くしては見れないシーンは、主人公の後を受けて、バックで演奏とコーラスを担当していたマーティ・ロビンスが代わりに歌い始める所が感動的で、その曲がそのままレコードになり、エンド・タイトルに流れるシーンはまた、涙を誘う事になるという、イーストウッドの計算され尽くした演出が随所に冴えまくった傑作であり、これがアメリカでも不評、日本では、地方のみの公開に終わっているのは、何とも残念でならない。 確かに地味で、セールス・ポイントのない映画ではあるが、『アウトロー』で開眼したイーストウッド監督作品と、後の数々のイーストウッド作品への橋渡し的作品である事を考えると、決して無視できない映画である事は、明らかだ。 因みに、映画の中でイーストウッドが死んだのは、女共によってたかって殺された『白い肌の異常な夜』と、この作品だけであり、そういう意味でイーストウッド・ファンから無視されているのかも知れないが、とにかく、必見である事は、この場を借りて断言しておこう。 |
★データ | |
テクニカラー/パナヴィジョン(レンズ&パナフレックス・カメラ)/ヴィスタ・サイズ/123分/ドルビー・ステレオ(アメリカの一部劇場のみ) 日本公開:1983年4月29日(ワーナー配給) ※地方のみのスプラッシュ公開 アメリカ公開:1982年12月15日(WB配給) |