奴らを高く吊るせ!

Hang 'em High

 

★アメリカ*レオナード・フリーマン・プロ&マルパソ・カンパニー=ユナイテッド・アーティスツ 1968年度作品

★スタッフ
監督■テッド・ポスト、製作■レオナード・フリーマン、脚本■レオナード・フリーマン/メル・ゴールドバーグ、音楽■ドミニク・フロンティア、撮影監督■リチャード・クライン、編集■ジーン・フォウラー・ジュニア

 

★キャスト
クリント・イーストウッド .... ジェド・クーパー
インガー・スティーヴンス .... レイチェル・ウォーレン
エド・ベグリー .... ウィルソン隊長
パット・ヒングル .... アダム・フェントン
ベン・ジョンソン .... デイヴ・ブリス
チャールズ・マッグロウ .... レイ・カルホーン
ルス・ホワイト .... マダム・ソフィー
ブルース・ダーン .... ミラー
アラン・ヘイル・ジュニア .... マット・ストーン
デニス・ホッパー .... プロフェット
L・Q・ジョーンズ .... ルーミス

 

★おはなし
牛泥棒と間違われてリンチにあったカウボーイが、保安官になって、自分をハメた男たちを追撃する…というお話。

 

★ひとこと
イーストウッドが本国アメリカへ凱旋した、その第1作。当然ながら、彼は西部劇を選んだが、本格的なものではなく、むしろ、まだ、マカロニの影を背負った、暗い復讐劇であるところがポイント。冒頭から既に、悪人に吊されて殺されかけるというシーンで、残酷さが強調された内容になっている。それを助けるのが、アメリカン・ウエスタンの名脇役ベン・ジョンソン、というのも、因縁深いものを感じるが、悪人の一人に扮しているブルース・ダーンは、この映画の後、あの『11人のカウボーイ』で、ジョン・ウェインを殺す役で有名になる訳だが、そこにもまた、ジョン・ウェインの後継者として、アメリカの西部劇を背負って立つイーストウッドの運命的な出会い、みたいなものを感じるのは、これは深読みし過ぎであろうか。

 

★うらばなし
既にこの凱旋第1作目から、イーストウッドは自己のプロダクション“マルパソ”(スペイン語でけわしい道という意味)で映画を製作している。あくまでも名前だけで、実質的なプロデュース業務は行っていないが、「自分の映画を自分のやりたいように作る」という意気込みは、既にこの時から持っていたようだ。そんな彼が帰国第1作の監督に選んだのは、テレビの『ローハイド』時代からの付き合いであるテッド・ポストで、後にドン・シーゲルが降りた『ダーティハリー2』でも抜擢される事になる。

 

★データ

テクニカラー/ヴィスタ・サイズ/115分

日本公開:1968年5月31日(ユナイト配給)

アメリカ公開:1968年8月3日 (UA配給)

 

                           

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