職業：某大学の美術教師。そして、かなりの絵画蒐集家。で、ありながら、登山も大好きという、多趣味の大学教授かと思いきや、元々はＣＩＡのシークレット・エージェント、つまり、殺し屋という変わり種。今は、趣味の絵画や登山を楽しんで、悠々自適の生活を送っていたが、そこへＣＩＡの某組織から、緊急に殺しの指令（サンクション）が入った。彼が所有している高額な価値のある絵画の出所をネタに、サンクションを強要する組織に、否応なく従い、以前挑戦して失敗したアイガー北壁の登攀に、今一度、チャレンジする。登攀しながらの殺しという、自分もいつ死ぬか分からない状況で、何と彼以外、全員事故死という、手っ取り早い方法でサンクションをやってのけたが、本当に殺さなくてはならない相手が、昔ながらの友人だったと知り絶句。もうこの稼業から永久に足を洗う事を決意した。その友人と組んで、銀行強盗を働いたという噂があるが、定かではない。

登場作品：『アイガー・サンクション』（７５）

職業：元・海兵隊の砲術軍曹。朝鮮戦争で名誉勲章に輝き、ベトナムでも華々しい戦巧を立てた歴戦の強者。その栄光が忘れられず、再び、第２海兵隊偵察小隊に再役志願、今度は、小隊の若者たちに、戦う事の意義と、男としてのアイデンティティーを教授する役目を果たす。若者たちからは、頑固者のジジィ軍曹としてしか、見られていなかった彼は、日々の厳しい訓練で若者たちをシゴき上げ、徐々に若者たちと心を通わせるようになる。そんな折りに、グラナダの小島へ、出動命令が下される。初めての実戦に緊張する若者たち。だが、朝鮮・ベトナムと歴戦をかいくぐってきたトムには、この程度の戦いは屁でもなかった。でも、何故か死にかけるヘンなオッサン。若者たちに助けられて、帰国後、片思いだった女性にも告白する事が出来て、何とか、男の面目を保ったのであった。

登場作品：『ハートブレイク・リッジ／勝利の戦場』（８６）

職業：流れ者。メキシコで、レイプされそうになっていた尼僧を助けた事から、何故かコンビを組んで、フランス警備隊と戦っていたメキシコ革命ゲリラの救援に駆けつけるハメになる。ダイナマイトを駆使して、何とか殲滅する事が出来たのだが、目的の金を手にした途端、それまで尼僧だと思っていた女が、実は娼婦だった事を知り、仰天。さすがの流れ者も、一杯食わされてしまったとさ。あくまでも金が目的のガンマン＝流れ者という事で、ブロンディやジョーやモンコと同じタイプの人間ではあるが、これまた、同一人物であるかは、不明。女に弱い点は、確かに似ているようだが…。

登場作品：『真昼の死闘』（７０）

職業：ＦＢＩの大統領護衛官。つまり、シークレット・サービス。６２年のジョン・Ｆ・ケネディの護衛に就いていた時、自分のミスで暗殺されてしまったと、長年ずっと悩んでいた。あれから３０年、現在の大統領に暗殺計画がある事が発覚、今度こそ自分の手で、大統領を守り、犯人を捕まえようと躍起になる。が、したたかな犯人の為に、ひとたび、苦労させられる事に…。もう既に老年の域に達している彼だが、強靱な精神だけは、人並み以上持っている。しかし、寄る年波には敵わず、ちょっと走っただけで、「ハァハァ、ゼイゼイ」言う始末。既に女房にも逃げられ、天涯孤独の彼にとって、唯一の心の拠り所は、同じシークレット・サービスの女性官。彼女に振り向いて貰えるのを、密かな楽しみにしている孤独な男でもある。

登場作品：『ザ・シークレット・サービス』（９３年）