続夕陽のガンマン/地獄の決斗

Il Buono,Il Brutto,Il Cattivo

aka.The Good ,the Bad And the Ugly

 

 

★イタリア*P・E・A・フィルム 1966年度作品

 

★スタッフ
監督■セルジオ・レオーネ、製作■アルベルト・グリマルディ、脚本■セルジオ・レオーネ/ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ/トニーオ・スカルペリ、音楽■エンニオ・モリコーネ、撮影■トニーオ・デリ・コリ、編集■ニノ・バラグリ/ユージニオ・アラビソ

 

★キャスト
クリント・イーストウッド .... ブロンディ(ジョー)
リー・ヴァン・クリーフ .... セサンテ
イーライ・ウォラック .... テュコ
マリオ・ブレガ .... 軍曹

★おはなし
南北戦争末期。ブロンディとテュコの賞金稼ぎコンビがふとした事から死にかけた南軍兵士から20万ドルの金貨のありかを聞き出し、それの噂を聞いたセサンテと三つ巴になって20万ドルを巡って墓場で決闘する…というお話。

 

★ひとこと
マカロニ・トリロジーの最終作で、意外にもこの作品が、アメリカで初めてヒットしたイーストウッド映画という事になる。(それまでの2作は、ほとんど話題にならなかったから)

本来なら、前作の3人の主演者がそのまま出演する予定だったが、ジャン=マリア・ヴォロンテが、他の映画の撮影に忙しく、その代役として、ハリウッドからイーライ・ウォラックが参加。ナンと、マカロニ・ウエスタンなのに、主演スターが3人ともアメリカ人という異例なキャスティングになった。尤もレオーネは、この後、『ウエスタン』『夕陽のギャングたち』でも、同じように、ハリウッド・スター大量出演によるマカロニ・ウエスタンを作っているので、これがそのルーツ的作品でもある。

前2作から、スケールも一段とアップ、アメリカの南北戦争を背景にした、一大叙事詩的な味わいのある大作に仕上がっていて、トリロジーの中でもベストに推す人が多い。スケールといえば、モリコーネの音楽も贅沢な音作りで、この映画の大作感をさらに雄大にしている。

 

★うらばなし

この映画のイタリア初公開版は、3時間近くあるとか(既にDVDでリリース済み)。日本やアメリカで公開されたインターナショナル・バージョンは2時間40分で、20分近く長い事になるが、初期にリリースされたDVDでは、特典映像として、7つの未公開シーンを観る事が出来るが、その内の2カ所は、重要なシーンだったので、是非、国際版にも収録して欲しかったと思う。

因みにこの映画は、時代背景からして、トリロジーの中では一番早いという設定になっていて、いわば“エピソードT”という事になる。先に後の時代のストーリーで映画を作り、後に時代を遡って一番最初のストーリーで映画を作るという、いわばルーカス方式(“スター・ウォーズ”も“インディ・ジョーンズ”もそうだった)の映画作りの、これがもしかするとルーツか。

クライマックス前のシーンで、撃たれて死にそうになっている南軍兵士に葉巻を吸わせてやる感動的シーンの後、死んだその兵士から奪ったポンチョが、前作・前々作に登場したポンチョである所など、エピソードTである事を意識したシーンがちゃんとあるのが、レオーネのこだわりの凄さでもある。

それとこの映画、アメリカでは一番最初にヒットしたイーストウッド映画であり、その後続けて、前作・前々作が再公開されてヒットを飛ばした。南北戦争を背景にしているせいか、アメリカ人でもファンは多いらしく、例のタランティーノ監督も、その一人。いつも自作に、この映画のクライマックスに於ける“三角決闘シーン”的なテイストを入れて、イーストウッド・ファンである事を、頑なに意識させている。(と思います)

 

★データ

テクニカラー/テクニスコープ/スコープ・サイズ/162分(イタリア版は177分) 

日本公開:1966年12月23日(ユナイト配給)

アメリカ公開:1967年12月29日 (UA配給) 

イタリア公開:1966年12月23日

 

                 

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