ダーティファイター

Every Which Way But Loose

 

★アメリカ*マルパソ・カンパニー・フィルム=ワーナー・ブラザース 1978年度作品

 

★スタッフ
監督■ジェームズ・ファーゴ、製作■ロバート・デイリー、脚本■ジェレミー・ジョー・クロンズバーグ、音楽監修■スナッフ・ギャレット、音楽指揮■スティーヴ・ドーフ、撮影監督■レックスフォード・メッツ、編集■フェリス・ウェブスター/ジョエル・コックス

 

★キャスト

クリント・イーストウッド

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ファイロ・ベドー

ソンドラ・ロック

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リン・ハルシー=テイラー

ジェフリー・ルイス

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オーヴィル・ボッグズ

ビヴァリー・ダンジェロ

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エコー

ウォルター・バーンズ

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タンク・マードック

ジョージ・チャンドラー

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クラーク

ロイ・ジェンソン

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ウッディー

ジェームズ・マクイアチン

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ハーブ

ビル・マッキニー

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ダラス

ウィリアム・オコンネル

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エルモ

ジョン・ケイド

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コーラ

ダン・ヴァディス

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フランク

グレゴリー・ウォルコット

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パットナム

ハンク・ウォーデン

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トレイラー・コート支配人

ルス・ゴードン

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マ・ボッグズ

 

★おはなし
ケンカ好きのトラック野郎ファイロが、好きな女を追い掛けて、アメリカ大陸を横断する…というお話。

 

★ひとこと

アメリカで一番ヒットしたイーストウッド映画。当時、人気を二分していたバート・レイノルズが、前年に『トランザム7000』でアメリカでの興行成績のトップを走ったのに対抗して、イーストウッドが同じようにトラック野郎に扮し、ケンカに明け暮れ、女を追いかけ回し、警察をコケにし、おまけに暴走族も退治してしまうという、マンガチックな超スーパー・ヒーローになって大暴れ。イーストウッドお抱えのジェームズ・ファーゴ監督の演出が、前作の『ダーティハリー3』同様に芳しくないにも関わらず、アメリカでは大受けに受けて、まさに、『トランザム7000』を上回るヒットを記録。特に、アメリカに於けるイーストウッドのファン層には、この映画の主人公のようなトラック運転手が大勢いる事から、イーストウッドは、彼等に対するお礼の気持ちも込めて、この映画を作ったというだけあり、その目論見はモノの見事に成功したと言えよう。

ソンドラ・ロックがカントリー歌手に扮して、決して上手くはない唄を披露しているが、彼女が出たイーストウッド映画の中でも、一番嫌みな女に扮している点に注目。ストーリーの構成上の事とはいえ、ここまでイヤな女を、当時の愛人だった相手に演じさせるイーストウッドは如何なものかと思う次第だが、単なるハッピーエンドにしたくなかった、つまりはレイノルズに対する、イーストウッドの、対抗心の表れかも知れない。

 

★うらばなし

日本では79年の正月映画として78年末に公開されたが、このパターンは前作『ガントレット』、前々作『ダーティハリー3』と全く同じで、完成直後に日米同時公開されていた。つまり、3年連続で正月映画に登場していた訳で、当時のイーストウッドの、日本での人気ぶりが伺えるエピソードではある。特にこの映画の場合、公開されるまでは、果たしてどういうジャンルの映画なのか、全く分からなかったもので、当初、映画雑誌等に記載されていた紹介では、“イーストウッドのカー・アクションもの”とされていたが、まぁ、『トランザム7000』を意識していたという点では、当たらずも遠からずって感じ。

イーストウッド映画としても、初めてカントリー&ウエスタン中心としたサントラをリリース。特にアメリカではエディ・ラビットの唄う主題歌と共にミリオンセラーになったが、音楽監修を担当しているスナッフ・ギャレットは、続編や『ブロンコ・ビリー』でも、同じような構成でサントラを作っているが、何とこの後に作られた『トランザム7000VS激突!パトカー軍団』や『シャーキーズマシーン』という、バート・レイノルズの主演作でも参加しており、つまり今度は、レイノルズがイーストウッドに対抗心を燃やしたと言う事か。

 

★データ

デラックス・カラー/パナヴィジョン(レンズ&パナフレックス・カメラ)/ヴィスタ・サイズ/114分 ※ステレオ・サウンド(日本ではモノラル公開)

日本公開:1978年12月16日(ワーナー配給)

アメリカ公開:1978年12月20日(WB配給)

 

          

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