マンハッタン無宿

Coogan's Bluff

 

★アメリカ*ユニヴァーサル−マルパソ・カンパニー・ピクチャー=ユニヴァーサル映画提供 1968年度作品

★スタッフ
監督&製作■ドナルド・シーゲル、製作総指揮■リチャード・E・リオンズ、脚本■ハーマン・ミラー/ディーン・リーズナー/ハワード・ロッドマン、原案■ハーマン・ミラー、音楽■ラロ・シフリン、撮影監督■スタンリー・ウィルソン、編集■サム・E・ワックスマン

 

★キャスト
クリント・イーストウッド .... ウォルト・クーガン
リー・J・コッブ .... マッケロイ警部
スーザン・クラーク .... ジュリー・ロス
タイシャ・スターリング .... リニー・レイヴン
ドン・ストラウド .... ジェームズ・リンガーマン
ベティ・フィールド .... エレン・リンガーマン
トム・トゥリー .... マックレア保安官
メロディ・ジョンソン .... ミリー
ジェームズ・エドワーズ .... ウォーレス警部補

 

★おはなし
アリゾナ州の保安官補クーガンが、ニューヨークで逮捕された凶悪犯を護送する為に大都会へ赴き、スキをみて逃げた犯人を追ってニューヨークで大追撃戦を展開する…というお話。

 

★ひとこと

イーストウッドの師匠、ドン・シーゲルとの、記念すべきコンビ第1作。テキサスの田舎の保安官が、犯人護送の為、大都会のニューヨークへやって来て、途中で逃げられてしまい、慣れない街で右往左往しながらも、犯人を追跡するというパターンは、後の『レッド・ブル』(ロシアが舞台)、『ブラック・レイン』(大阪が舞台)といった、この種のジャンルのルーツ的作品でもあり、また、刑事アクションというジャンルからして、後のこのコンビの歴史的名作『ダーティハリー』の元祖だと、呼ばれる場合が多い作品でもある。

また、ラストのバイク・チェイスがこの作品の大きな見所だが、後の『ダーティハリー2』や『ガントレット』でも、同様のチェイス・シーンが登場するに辺り、イーストウッドがバイク好き(私生活でも)である事が分かる。

 

★うらばなし

そのバイク・チェイスは、イーストウッドがスタントなしでやっているのが、この映画を観れば分かる通り。当時から体当たりアクションはお手の物であったようだ。

それと、ドン・シーゲル監督との出会いであるが、ユニヴァーサル映画は当初、アレックス・シーガルという監督(主にテレビの演出家で、エミー賞を数多く獲っていた著名人)で撮影を始めようとしていた。しかし、イーストウッドは、兼ねてから、ドン・シーゲルの才能(特に『刑事マディガン』を高く評価していた)に目を付けていて、その旨をユニヴァーサルに提案し、メガホンを強引にシーゲルにバトンタッチさせているが、まさにそれは正解だった。シーガルとシーゲルとでは、一字違いだが、その演出力はかなり違うという事を、既に察知していたイーストウッドの、これはファインプレー。この出会いによってこのコンビは、後に数々の傑作を生み出す事になるのである。

余談だが、後にデニス・ウィーヴァー主演でテレビ・シリーズになった『警部マクロード』(NHKで放映)は、実はこの作品が元になっている。

 

★データ

テクニカラー/ヴィスタ・サイズ/93分

日本公開:1969年15日(ユニヴァーサル配給)

アメリカ公開:1968年10月2日(Universal配給)

 

                         

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