イーストウッド映画 最多出演者ベスト10

 

1.ロイド・ネルソン (9本)

                    『ブロンコ・ビリー』の警官役

   って誰? と思う人も多いと思いますが、実際に一番出演本数の多い人がこの人。とにかく9本と、ダント

   ツでトップ。実際私も、イーストウッド映画全作のキャスト・クレジットをチェックするまでは、全く知りません

   でした(笑)。出演作を挙げてみると、『ダーティファイター』のバーテンダー役を筆頭に、『アルカトラズから

   の脱出』(看守役)、『ブロンコ・ビリー』(病院の警官役)、『センチメンタル アドベンチャー』(ラジオ・アナウ

   ンサー)、『ダーティハリー4』(デスクの警部役)、『タイトロープ』(パトロールマン)、『ペイルライダー』(銀行

   の客)、『ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場』(デピュティー役)、『ダーティハリー5』(ウォルドマン警部役)

   そして『ルーキー』(高速道路の通行人)といった具合。70年代から90年代まで、かなり律儀にイーストウ

   ッド映画に出まくっている人なのだが、いざ、どんな顔をしていたのか、思い出そうと思っても、なかなか浮

   かばないのが情けないところ。つまり、いつも、あまり目立った役ではないという事なんでしょうが、名前も

   顔も分からないというのは、ちょっと可愛そうな気がしますネ。それに、こんなに出ているという事は、イー 

   ストウッドに相当可愛がられているからだと思うのですが、さて、どういう関係なのかっていうのも、疑問の

   一つではあります。

 

2.フリッツ・マーネイズ (7本)

         『ガントレット』のヘリコプターからの狙撃者役

   これも、誰? って思う声が多いかも知れませんが、イーストウッド映画ファンなら名前だけは聞いた事が

   ある筈です。そう、実はこの人、本物の俳優というよりも、元々はイーストウッド映画のプロデューサーだっ

   た人。で、出たがり屋精神旺盛だったのか、いつもチョイ役で映画にも出てしまったという経歴の持ち主

   で、そんな訳だから、あまり顔の方は知られていません。7本出演している内で、比較的顔が分かるのが

   『ガントレット』での、ハーレーで逃げるイーストウッド&ソンドラをヘリコプターからライフルで狙撃するヒット

   マン役で、他は『ダーテイハリー3』(刑事役)、『ダーティファイター』(ザンザバーのバーテンダー役)『アル

   カトラズからの脱出』(看守役)、『ファイヤーフォックス』(潜水艦の艦長役)、『タイトロープ』(ヴァルデス役)

   、『ペイルライダー』(馬に乗った悪役)という計7本。これも1位のロイド・ネルソン同様、端役ばかりなの

   で、目立った役はありませんが、やっぱり、『ガントレット』が一番の見せ場でしょうか。プロデューサー業

   を、後任のデイヴィッド・ヴァルデスに譲ってからも、出演している辺りは、やっぱり、出たがり屋精神の旺

   盛の人なんだと思いました。

 

2.ジェフリー・ルイス (7本)

              『ブロンコ・ビリー』の花嫁に逃げられた悲惨な夫役

   もうお馴染み。“ダーティファイター・シリーズ”でのイーストウッドの相棒役として有名で、他にも色々付き合

   って、7本の出演で同率2位。最初にイーストウッド映画に出演したのは、『荒野のストレンジャー』。保安

   官を殺した悪人一味のリーダー役でした。で、その後は、『サンダーボルト』のドジな強盗仲間、『ダーティフ

   ァイター』及び『ダーティファイター/燃えよ鉄拳』の相棒役、『ブロンコ・ビリー』のソンドラ・ロックの婚約

   者、『ピンク・キャデラック』の偽造屋、そして久々に登場した『真夜中のサバナ』の、頭の上にいつも蠅を

   乗せている(?)ヘンなオジサン役というもので、一番最初の『荒野のストレンジャー』以外は、みんなコミカ

   ルな役というのが、彼のキャラクターに一致していると思いました。

 

2.ビル・マッキニー (7本)

                   『ガントレット』の田舎の警官役

   並んで2位もこの人。イーストウッド・ファンなら、これもお馴染みでしょう。ジェフリー・ルイスとは違い、どち

   らかというと、イーストウッドと敵対関係にある役が多い人。『サンダーボルト』の変人運転手を皮切りに、

   『アウトロー』の悪役北軍役、『ガントレット』の田舎の警官、『ダーティファイター』『ダーティファイター/燃え

   よ鉄拳』の中年暴走族、『ブロンコ・ビリー』の一座の一員、『ピンク・キャデラック』と、どことなくジェフリー・

   ルイスとダブっと共演している場合があるようですが、一番大きな役は、やっぱり宿敵を演じた『アウトロ

   ー』でしょうか。彼もやっぱり、イーストウッドの敵役からスタートして、それからコミカル路線に入っていって

   るような、これまたジェフリー・ルイスと同じ道を辿っているようで、この共通点は面白いと思いました。

 

5.ソンドラ・ロック (6本)

                 『ガントレット』の勝ち気で可憐な娼婦役

   もう何も紹介する必要がないぐらいの、この中では一番の有名スター。実生活では、イーストウッドと半同

   棲生活を営んでいた、いわゆる愛人だが、イーストウッドのお陰で有名になったのは、誰もが認める所。イ

   ーストウッドの後押しで、監督業にまで進出(『インパルス』や『ラットボーイ』)したのに、その後の消息を聞

   かないのは、やっぱりパチが当たったのだろうか。取り敢えず、イーストウッドとは、『アウトロー』『ガントレ

   ット』『ダーティファイター』『ブロンコ・ビリー』『ダーティファイター/燃えよ鉄拳』『ダーティハリー4』と、6本

   で共演。個人的には、『ガントレット』の大学出の娼婦役が一番好きでした。

 

 

6.ロイ・ジェンソン (5本)

               『ガントレット』でイーストウッドにバイクを盗られる暴走族役

   おそらく、ビル・マッキニー同様、名前は知らないまでも、顔を見れば「そう、そう!」と思い出されるタイプ

   であろう。イーストウッド映画に出る前は、西部劇等でもバイプレイヤーとして活躍していたらしく、“殴られ

   る男”という異名を持っていたぐらい。『サンダーボルト』のオープニングで、教会で説教していた神父姿の

   イーストウッドに、いきなりマシンガンを乱射する男が印象的で、その後は、『ガントレット』『ダーティファイタ

   ー』『ダーティファイター/燃えよ鉄拳』の暴走族、そして何故か『センチメンタル アドヘンチャー』にも出演

   していて、計5本で堂々の6位入選を果たした。

 

6.ダン・ヴァデイス (5本)

             同じく『ガントレット』のマヌケな暴走族役

   これもビル・マッキニー、ロイ・ジェンソンと並んで、イーストウッド映画バイプレイヤー3人衆の一人だ。『荒

   野のストレンジャー』の悪役を皮切りに、『ガントレット』『ダーティファイター』『ダーティファイター/燃えよ鉄

   拳』の3本では、ロイ・ジェンソンと共に暴走族役を好演、そして『ブロンコ・ビリー』では、ビル・マッキニーと

   共に、ワイルド・ウエスト・ショウ一座の一員(インディアン役)に扮して、イイところを見せた。ロイ・ジェンソ

   ン同様、イーストウッド映画以外でも活躍しているのだろうが、イーストウッド映画での印象が強い人だ。

 

6.アルバート・ポップウェル (5本)

                 『ダーティハリー4』でハリーの相棒役に昇格

   イーストウッド映画、特に“ダーティハリー・シリーズ”では有名な黒人バイプレイヤー。シリーズの1作目か

   ら4作目までの連続出演は、イーストウッドを除けば、トップの記録。惜しくも5作目には出演せず、皆勤賞

   を逃したが、実はイーストウッドとの付き合いは、『マンハッタン無宿』からという古いもので、もしかすると、

   ドン・シーゲルに可愛がられていたのかも知れない。因みに、『ダーティハリー』では銀行強盗役、『ダーテ

   ィハリー2』ではポン引き役、『ダーティハリー3』では黒人指導者役、そして『ダーティハリー4』ではハリー

   の相棒と、役が段々と大きくなっていったのは、やはり、イーストウッドとの付き合いの深さでもあるのだろ

   う。

 

6.ジョン・ミッチャム (5本)

              『ダーティハリー3』のミッチャム刑事唯一の見せ場

   4人目の5本出演俳優がこの人。これも“ダーティハリー・シリーズ”のファンにはお馴染みの人。1作目か

   ら3作目まで、ハリーの同僚刑事ディジョルジョ役を演じ、1作目では、スコルピオを追いつめたスタジアム

   で、場内の照明を点灯させる大役(?)を果たし、2作目では出番も少なかったが、3作目では過激派グル

   ープを一人で追跡した為に殉職。病院で息を引き取るシーンは、涙を誘った。他では、『荒野のストレンジ

   ャー』や『アウトロー』などの西部劇に出演し、お馴染みの顔を見せていた。

 

10.グレゴリー・ウォルコット (4本)

            『サンダーボルト』の中古車セールスマン役

   あまり聞いた事のない人ですが、意外や意外、この人はZ級映画マニアには、そこそこ知られた名前の俳

   優です。実は、イーストウッドとは全然関係ありませんが、あのサイテー映画の迷監督、エドワード・D・ウッ

   ド・ジュニア(通称エド・ウッド)監督の中でも、最もサイテーだと言われていた『プラン9・フロム・アウタース

   ペース』に、唯一人の普通の俳優として出演していた事で知られる、ちょっと変わった経歴の持ち主。あの

   映画には、ベラ・ルゴシ(死ぬ間際に撮ったフィルムが一部だけ使用された)、ヴァンパイラ(元ストリッパ

   ー)、トー・ジョンソン(元プロレスラー)などが出演しているが、一番まともな俳優として出演していたのが、

   このグレゴリー・ウォルコットで、『シノーラ』でイーストウッド映画に初登場してから、『サンダーボルト』『アイ

   ガー・サンクション』『ダーティファイター』と、70年代のイーストウッド映画4本に出演した。私も最近、『サン

   ダーボルト』のクレジットを観て、初めて気が付いたもので、『サンダーボルト』では、最初の方のシーンで、

   ジェフ・ブリッジスが乗り逃げする中古車センターのセールスマン役で出演していました。イーストウッド映

   画以外では、スピルバーグ監督の劇場デビュー作『続激突!カージャック』や『ハード・コアの夜』、或い

   は、50年代でも、ジョン・フォード監督の『ミスタア・ロバーツ』等にも出演していた事があり、フォードにイー

   ストウッドにスピルバーグに、そしてエド・ウッドと、サイテーと最高の両監督の作品に出演していた、いわ

   ば貴重な俳優と言えるでしょう。

 

10.グレン・ライト (4本)

 

   という人も4本出演しているのですが、残念ながら、顔までは確認できませんでした。一応作品名と役名を

   それぞれ挙げておくと、『センチメンタル アドベンチャー』ジェイルドーズ役、『タイトロープ』のパトロールマ

   ン・レッドフィッシュ役、『ペイルライダー』のステージ・ライダー役、そして『ダーティハリー5』のヒンドマーク

   刑事役という事で、今後、これらのイーストウッド映画を観られた方は、どの人がそうなのか、よく確認して

   おいて下さい。

 

 

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