ブラッド・ワーク

Blood Work

★アメリカ*マルパソ・プロ=ワーナー・ブラザース映画提供 2002年度作品
 

 

★スタッフ

     

監督&製作■クリント・イーストウッド、製作総指揮■ロバート・ロンツ、脚色■ブライアン・ヘルゲランド、音楽■レニー・ニーハウス、撮影監督■トム・スターン、編集■ジョエル・コックス

 

 

★キャスト

クリント・イーストウッド .... テリー・マッケレブ
ジェフ・ダニエルス .... ジャスパー“バディ”・ヌーン
アンジェリカ・ヒューストン .... ボニー・フォックス医師
ワンダ・デ・ジーザス .... グラシェラ・リーヴァス
ティナ・リフォード .... ジェイヴ・ウィンストン
ポール・ロトリゲス .... ロナルド・アランゴ刑事
ディラン・ウォルシュ .... ジョン・ウォーカー刑事
メイソン・ルチェロ .... レイモンド
ゲリー・ベッカー .... トリヴァー氏
リック・ホフマン .... ジェームズ・ロックリッジ
アリックス・コロムゼイ .... コーデル夫人
イゴール・ジッキン .... ボロトイ
ダイアナ・イーストウッド .... リポーター #1
ビヴァリー・リーチ .... リポーター #2
ジェーン・キョート・ルー .... カン夫人

 

★おはなし
心臓移植をした元FBI心理分析官の男が、移植に絡む因縁のために猟奇殺人犯を追うというお話

 

★ひとこと

『スペース カウボーイ』以来2年ぶりの新作。全世界のイーストウッド・ファンが待ちに待った待望の作品。

今回も、一度死にかけた人間の復活劇、そして、自分の信念に基づいて行動する孤高のヒーローという、イーストウッド得意の主人公を演じて、久しぶりに銃撃戦も展開し、とても72歳とは思えない若々しさを披露してくれていて、とにかくその健在ぶりには脱帽である。

引退した元・FBI捜査官という役柄が、イーストウッドのライフワークとも言うべき、“ハリー・キャラハン”のその後を想起させて、ファンとしては嬉しい事この上ない映画に仕上がっている。基本的には犯人探しのミステリー映画だが、キャスティングで例え犯人が早々に推理できたとしても、それはこの映画の狙いではないので、安心して観ていられるのもイーストウッドの腰の据わった演出力の賜物だろう。最近の若造監督の映画では決してマネの出来ない見応えのある作品になっていて、観終わった後の充実感も相当なもの。

これが正月映画までの繋ぎとして公開されたとは、『センチメンタル アドベンチャー』を地方公開にしてしまった事に続く、ワーナーの汚点でもある。

 

★うらばなし

マイケル・コナリーのベストセラー小説を原作とした本作だが、イーストウッド映画には、ベストセラーを映画化する場合が結構多い。しかも、そのほとんどが優れたサスペンスかミステリーというのも、非常に興味深い。デビュー作がヒッチコック・タッチの『恐怖のメロディ』(本作で監督業30周年になる!)であった事を思うと、イーストウッドはかなりのスリラー好きのようだ。(『荒野のストレンジャー』なんか、スリラー・タッチの西部劇だったし…)

脚色を担当しているブライアン・ヘルゲランドは、『L.A.コンフィデンシャル』でオスカーを獲ったライターだが、イーストウッドには、最初次回作に予定されている『ミスティック・リバー』の脚色として抜擢されたのだが、どういう経緯か、コチラの方が先になってしまった。理由はわからないが、『ミスティック・リバー』には、イーストウッドは出演しないらしいので、ワーナーの要望があってか、主演するコチラの方が先に始動したようだ。いずれにせよ、ヘルゲランドが再び脚本を担当する次回作にも、期待したい。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(カメラ&レンズ)/スコープ・サイズ/ドルビー・デジタル/dts/SDDS/109分

日本公開:2002年12月7日(ワーナー配給)

アメリカ公開:2002年8月9日(WB配給)

 

                           

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