バード

Bird

 

★アメリカ*マルパソ・プロ=ワーナー・ブラザース提供 1988年度作品

★スタッフ

★監督&製作■クリント・イーストウッド、製作総指揮■デイヴィッド・ヴァルデス、脚本■ジョエル・オリアンスキー、音楽スコア■レニー・ニーハウス、撮影監督■ジャック・N・グリーン、編集■ジョエル・コックス

 

★キャスト
フォレスト・ホワイテイカー チャーリー“バード”パーカー
ダイアン・ヴェローナ チャン・パーカー
マイケル・ゼルニカー レッド・ロドニー
サミュエル・E・ライト ディジー・ギレスピー
キース・デイヴィッド バスター・フランクリン
マイケル・マクガイア ブリュースター
ジェームズ・ハンディ エステヴェス
ダモン・ホワテイカー 若きバード
モーガン・ナグラー キム
アーレン・ディーン・スナイダー ヒース医師
サム・ロバーズ モスコウィッツ
ペネロープ・ウィンダスト ベレヴュー看護婦
グレン・ライト 患者
ジョージ・オリソン チェッカーの患者
ビル・コッブス コールフィールド医師

 

★おはなし
サックス奏者チャーリー・パーカーは、ジャズの名手として輝けるスター街道を駆け抜ける一方、麻薬に溺れて身を滅ぼしてしまう…というお話。

 

★ひとこと

イーストウッド13本目の監督作は、『愛のそよ風』以来、15年ぶりの監督のみに専念した作品である。若い頃からジャズに傾倒していたイーストウッドが、本格的にジャズをテーマした映画。30半ばでこの世を去った伝説のジャズマン、チャーリー・パーカーの半生を描いた伝記映画で、完全に演出側に回ったイーストウッドの、まさに入魂という言葉がピッタリな、執念の作品に仕上がっている。

イーストウッド映画史上最長の、2時間40分という長尺であるにも関わらず、一分たりとも退屈しない、完璧な演出を見せているイーストウッドが素晴らしく、88年度のゴールデン・グローブ賞で見事、監督賞を受賞。これも、イーストウッド映画史上、初の快挙である。

また、本物のチャーリー・パーカーの演奏を、デジタル技術によって、現代の音楽と合成された素晴らしいテクニックに対しても、88年度のアカデミー賞で、録音賞を受賞するという、これまた、イーストウッド映画初の快挙を成し遂げている。

 

★うらばなし

元々はコロムビア映画で、82年にリチャード・プライヤー主演で製作予定だったこの作品、企画が棚上げになっているのを知ったイーストウッドが、コロムビアからオファーがあった『リベンジ』(後にケヴィン・コスナー主演で完成)の企画と交換条件で、映画化権を入手した作品でもある。ヒットをある程度予定されていたイーストウッド主演のアクションものの企画を蹴ってまで、この地味な映画の権利を手に入れたワーナー映画は、まさに、イーストウッドの情熱に負けてしまった感じだが、そのワーナーの賭けが正しかった事は、完成した映画を観れば一目瞭然。

ただ、興行的には今一つパッとしなかったようで、日本でも、ミニシアター系での単館公開となり、しかも、公開が遅れた為、、次回作である『ダーティハリー5』の方が先に公開されてしまった。

 

★データ

テクニカラー/パナヴィジョン(パナフレックス・カメラ&レンズ)/ヴィスタ・サイズ/ドルビー・ステレオ/140分

日本公開:1989年3月31日(ワーナー配給)

アメリカ公開:1988年9月30日(WB配給)

1988年度アカデミー賞録音賞(レス・フレッショルツ/ディック・アレキサンダー/ヴァーン・プーア/ウィリー・D・バートン)受賞

 

         

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